自動車自動運転の研究・開発や制度整備、それに伴う報道は、既に日々行われている。衝突回避、事故防止に役立ち、人が運転しなくてもいい自動車が出現しつつある。当然、そうなれば「飲酒運転」もなくなる。
交通事故がない社会、車が人を殺さない社会を実現するというのは、自動車にとって最大のイノベーションではないか。今の自動車社会には、事故で自分が死ぬ恐怖、そして人を殺し犯罪者となってしまう恐怖がある。
例えば日本では年間4411人(警察庁・2012年統計)が交通事故で命を落としている。まして世界に目を転じると、交通事故死者数は年間124万人(WHO・2010年統計)に上る。
事故に遭った本人の不幸でだけなく、家族や周囲の人々を含め交通事故がどれほどの人を悲しみに陥れてきたか、考えてみてほしい。目を背けているけれどもこれが現実だ。このような恐怖から、そろそろ人間を解放してもいいだろう。
また、将来EVと電力ネットワークの普及が進み、走っているうちに道路からどんどん自動的に給電されるようになったとしたらどうだろう。人間は自動車の給油・給電といった手間からも解放されてしまってよいのではないか。
ここに至れば、もはや電車に乗るときと同じだ。乗車料さえ払えば自分で運転しなくてよく、寝ていても目的地に着くシステムの自動車ができる。
付け加えるならば、自動的に給電される電気が、自然エネルギー由来であればなお良いだろう。最初は化石燃料や原子力による電力との併用になるだろうが、高速道路周辺での自然エネルギー発電ももっと積極的にやっていけばよいだろう。
自動車運転が完全自動化するにあたり、もう1つ大きなポイントがある。これからの高齢化社会に対応しているということだ。