もちろん、レーガンやトウ小平が実行したような企業と投資への減税や地方への思い切った経済の拠点の移動の気配もありません。地方からの経済成長など、日本のエリート層では本気で考えられていないのでしょう。政府が議論するのは増税であり、日銀が議論するのは金利引き上げです。実行されれば、さらに景気は落ち込むでしょう。
日本の国力の低下はあちこちで見えてきました。子供の学力と体力の低下、貴重なはずの少なくなる若者の相変わらずの厳しい将来、3万人という世界最大級の自殺者数、自治体の破綻、国家財政の累積赤字…。
そんな中、団塊世代の退職が続きます。今までの企業戦士が、ゼロ金利の中でどうやって自分の老後を守るのか真剣に考えた時に、いよいよお金が海外への投資に向かうのかもしれません。そうなれば、弱いとされるドル以上に円が弱くなるのが世界の為替市場の基調になるかもしれません。そして、いまの高齢者は急速に貯蓄を取り崩すようになってきました。いよいよ、日本経済で貯蓄不足の時代が始まるのかもしれません。
そんな目の前の経済没落に対して、真正面から向き合い逆転の解決策を皆で実行するのか、それとも、目をそむけるのか、日本が問われる年になるでしょう。
お先真っ暗でしょうか。でも、悲観することはありません。夜明け前が一番暗いのです。現状認識から変化が生まれます。日本はこのままではダメだ、という危機感が最初の一歩です。それに、日本には再生のための材料はたっぷりあるのです。