そうなると、世界で最もコストの安い所で生産を行い、先進国をはじめとした世界への販売ができる企業の収益は爆発的に向上します。日本でも、キヤノン(7751)、商船三井(9104)、ファナック(6954)、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)といった海外での売り上げが半分以上を占める限られた数の世界企業の収益が爆発的に向上しているのは、こうしたグローバリゼーションの流れに乗ったからです。逆に、国内を主たる市場とする日本の新興企業の多くは業績も株価もさえません。
このため、先進国では、世界経済に参加する企業の資本や経営や取引に参加する人たちの所得は大きく増加します。企業収益の増加から利益を得る経営者や株主はもちろん、金融機関、ファンド、コンサルタント、弁護士などの専門職の所得は増えます。
また、米国のように、国民が幅広く株式を保有する国では株の上昇が資産効果を生んで消費を増やします。だから、世界中で贅沢なもの、セレブ御用達のものの値段は、リゾート地からワインまで大きく上がっています。